フットサルの競技人口だけが減少しているわけではない【サッカーや野球も…他競技と比較してみた】

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「日本のフットサルの競技人口の減少がやばい。。。」

「フットサル界の盛り上がりが年々下がってきている…どうにかしないと」

という意見を定期的に目にします。

これは紛れもない事実です。実際2011年頃には370万人いた日本のフットサル愛好者の人口が2017年には1/3以下の120万人にまで下がってきてしまっています。

現役選手として自分の競技が盛り上がっていないというのは悲しいことです。

しかし、少し気になって調べてみたところ、どうやら競技人口の減少に悩んでいるのはフットサルだけではないようです。

僕らフットサル界の人間がうらやましい…と指をくわえてみている野球やサッカーですら競技人口の減少傾向はみられます。

というわけでこの記事では以下のような内容で書いてみます。

  • フットサルの競技人口の推移
  • 他競技の競技人口の推移との比較
  • 競技人口減少の原因の考察
  • 競技人口=盛り上がりなのか?(追うべき数字について)
  • 自分たちにできること

こんな感じの内容で書いていきたいと思います。

目次

フットサルの競技人口の推移

まずはわが国でフットサルの競技人口がどのように推移しているのかご紹介します。

スクロールできます
愛好者人口(エンジョイ勢含む)選手登録者数
2010370万人
2011125,608人
2012200万人
2014210万人44,053人
2017120万人43,618人
201941,424人
202133,992人
202234,512人
公益財団法人日本生産性本部『レジャー白書 2018』、公 益 財 団 法 人 日 本 サ ッ カ ー 協 会 ( JFA )
http://www.jfa.jp/about_jfa/organization/databox/futsa
l.htmlよりデータを引用し作成

データから見るにフットサル人口は「ひいき目に見ても盛り下がってきている」というのが正直なところです。ピーク時には370万人いた日本のフットサル愛好者の人口が2017年には1/3以下の120万人にまで下がってきてしまっています。

選手登録者数も減少傾向にあるのがわかりますね。

競技人口の減少にはどの競技も悩んでる。【他競技の競技人口の推移】

他の競技の競技人口はどうなっているのか調べてみました。

その結果競技人口の減少に悩んでいるのはフットサルだけではないということがわかりました。

競技人口の減少は「フットサル界の問題」というより「スポーツ界全体の問題」という見方もできるのかもしれません。

サッカーの競技人口は減少傾向

年度日本サッカー競技人口 全体
2010年度900,880人
2011年度927,671人
2012年度953,740人
2013年度963,340人
2014年度964,328人
2015年度951,459人
2016年度937,893人
2017年度915,306人
2018年度889,956人
2019年度878,072人
2020年度818,414人
2021年度826,906人
2022年度817,375人
公益財団法人日本サッカー協会が公開している選手登録情報より

サッカーも明らかに競技人口が減少しています。

2014年度頃には約96万人いた選手登録者が2022年度には81万人と減少傾向にありますね。

野球の競技人口も減少しているらしい

WBC優勝や大谷翔平で盛り上がった野球界ですが、野球ですら競技人口の減少に悩んでいるそうです。

まぐまぐニュース!
WBC優勝でも競技存続の危機か。激減する日本小中学生の野球人口 - ページ 2 / 3 - まぐまぐニュース! 数々のスターを生み、まさに日本中が熱狂したワールド・ベースボール・クラシック。しかしながら我が国の野球界は今、瀕死の状態にあると言っても過言ではないようです。そ...

小学生年代

日本スポーツ協会傘下のスポーツ少年団の小学生の団員数を見てみると2011年度には約16万2000人でしたが、2021年度は約11万6000人まで減少しています。

中学生年代

日本中学校体育連盟ホームページによると、軟式野球の部員数は2011年度の約28万1000人から、2021年度には約14万4000人と半分近くに減少しています。

高校生年代

高校生年代では、日本高野連によると2010年に約17万人、2019年には約14万人とやや減少しています。

大学生

大学生では、東京六大学野球で見ると2007年668人に対し2018年873人と増加し、そのほかの関西六大学や九州六大学でも増加しています。

社会人

社会人野球については、昭和の時代には多くの企業が野球部を保有していました。しかし近年では不景気によって野球部を廃部にする企業が後を絶ちません。

バスケの競技人口も微妙に減少しているらしい

近年では日本の選手がNBAなどの海外で活躍する例も増えており、日本のバスケットボールへの関心や期待は高まっているといえるバスケットボールも2010年には616,289人いたのが2022年には557,842人と微妙に減少しています。

公益財団法人 日本バスケットボール協会

その他競技の競技人口

バレーボールの競技人口

2012年に396,974人→422,789と微増

ラグビーの競技人口

高体連の加盟人数ベースで、2003年には30,419人だったが右肩下がりを続けて直近の2022年には、17,649人に減少

柔道の競技人口

2004年には全日本柔道連盟登録人口168,255人だったところが2019年には115,937人にまで減少

卓球の競技人口

2011年度には304,620人2021年度には301,984人とほぼ変わらず(日本卓球協会の登録人口)

参考リンク
公益財団法人日本バレーボール協会
全日本柔道連盟
日本卓球協会の登録人口が約4万人戻り、30万人を超える

競技人口減少の原因は少子化とエンタメの多様化と予想

様々なスポーツで競技人口が起こっている原因はおそらく以下の2点が大きいと思います。

  • 少子高齢化
  • エンタメの多様化

10年で150万人も子どもが減る時代

2019年5月4日と5月5日に、総務省が「こどもの日」に因んで発表した統計データによれば、2019年4月1日時点での日本の子供(14歳以下)の人口は、前年同期比で18万人減少していることが示されました。

この傾向はなんと38年連続で続いており、2010年の1684万人から2019年には1533万人に減少しており、15歳未満の人口は150万人以上も減少していることとなります。

参考:サッカー少年が年々減っている!? 10年で150万人も子どもが減る時代を生き残るチームとは!?

シンプルに子供が減っているんです。

僕の出身小学校も昔は3~4クラスあるのが普通だったのに、今では2クラスだそうです。

基本的に高齢者は激しいスポーツをしないことが多いので、子供の数が減ればあらゆるスポーツの競技人口が減っていくのは自然な流れです。

各学校のスポーツ少年団も合併をしても試合できる人数が集まらないというところが出てきています。

少子化はもう歯止めが利かなくなっている日本において、球技などのチームスポーツは競技者数の減少がさらに加速する見込みは間違いないでしょう。

スポーツ庁がまとめた中体連競技別加盟人数の推計

ライバルはYoutube、Netflix、TikTokか

スポーツの競技者が減る原因の一つとして、少子高齢化の他にもエンタメの多様化があると思います。

ここ10年くらいでスマホの普及とともに世の中のコンテンツは爆発的に増加&クオリティがアップしました。昔は映画が見たかったらわざわざツタヤに行って借りてビデオデッキに入れてみていましたよね。

いまではNetflixやアマゾンプライムで見たいと思った1分後には映画を開始することだって可能です。

他にもYoutubeやTikTokなどの動画サービスも普及したことで、暇な時間なんていくらでもつぶせるようになってしまいました。

要するに今の社会ってスポーツなんかやらなくても十分面白いものがありすぎるんですよね。

これがスポーツをする人を減らす原因に多少はなっていると思います。

特に子供にとってはコーチに怒られながら、熱い中でスポーツをするよりもクーラーの利いた部屋で好きなアニメを見ている方が充実した時間と思ってしまうのも無理はないでしょう。

スポーツのライバルは強力です。世界の大手企業が生み出したコンテンツですから。

競技人口が減る=オワコンではない

競技人口が減らないに越したことはないですが、競技人口が減る=オワコンみたいなのはちょっと違うかもしれません。

例えば、アメリカでは近年「危険なスポーツを子どもにやらせたくない」と考える親が急増し、2010~2015年だけで米国の6~14歳のアメフト競技人口は、約300万人から約217万人へと、27.7%も減少してしまいました。

アメフトの若年層の競技人口はバスケットボール、サッカー、野球に次いで4位という位置づけです。

しかし大手世論調査会社「ハリス・インタラクティブ」によると、2015年の人気スポーツ調査のデータでは2位の野球の15%なとkろを、1位がアメフト 33%と倍以上の差をつけて圧倒的人気を誇っています。

年間総収入の面でも4大プロスポーツリーグの中でアメフトが圧倒的に1番です。2018年には年間150億ドル(日本円に直すと約1兆5000億円)の興行収入をあげています。

アメフトは間違いなく盛り上がっているスポーツといえるでしょう。

ということで競技人口はもちろん大事ですが、フットサル界がまず追うべき数字は「観客動員数」や、「興行収入」なのではないかなと思います。

こういった数字がついてこれば、「夢のある業界」として子供たちが見るようになり、「子供の競技人口」という数字はついてくるでしょう。

観客動員数を上げる→企業がスポンサー広告を出すメリットが上がる→多くのお金がフットサル界に流れる→選手に還元される→子供たちが夢を持つ業界になる→競技人口が増える

という順番かなぁと思います。

まとめ

うまくまとまっていませんが、要するに少子化出し、競技人口の減少は他競技でも見られることでしょうがない。

「競技人口の減少」にショックを受けすぎず、フットサルを盛り上げるには愚直に観客動員数を増やすことに注力した方がいいのではないかなという主張でした。

そう考えるとYoutubeを通じてフットサルを普及させているあしざるFCの活動は素晴らしいですよね。

トップリーグではない関東リーグを超満員にしています。

こういった活動がフットサル界を盛り上げていくと信じています。

僕も少しでも力になれるように頑張ろう。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

この記事を書いた人

匿名フットサラー
運営者
現役フットサル選手。フットサル界No.1ポータルサイトを目指す「フットサルポータル」を運営中。
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